自分から発する臭いは、自身ではとかく気付きにくいもの。
女性としての嗜みとして日頃から周囲には気を配りたいものです。
スメルケアを意識することは健康維持や若々しさのキープにもつながります。

そもそも臭いの大部分は発汗した時に、そこに雑菌が繁殖することで発生します。
発汗そのものは、体の健康維持には必要不可欠なもので新陳代謝の産物です。
しかしその汗に含まれる成分の違いにより、人それぞれに臭いの差が出てきます。
ですので日常的にできる体臭対策で最も大切なことは生活習慣を整えることです。
なかでも食物の臭いが体の臭いを作っているとも言え、食生活はとても重要です。

★ パーツ別の臭い

頭の臭い

頭の臭いとは一般に、頭皮と頭髪の両方の臭いが合わさったものです。
原因汚れた皮脂の洗い残しと生乾きによる雑菌臭

頭皮には頭皮を保護する為に皮脂腺から皮脂が分泌されていますが、
この皮脂がたまったものが細菌に分解されることで臭いが発生します。
また、キューティクルが剥がれ落ちた痛んだ頭髪には空気中にある色々な
臭いが付きやすく、シャンプーがきれいに洗い流されていない時も同じです。
対策☆シャンプーはゴシゴシと爪を立てて洗わずに指の平でやさしく洗う
☆生乾きで放置せずドライヤーでしっかり乾かす
☆無理なブラッシングや熱いドライヤーのあてすぎないブローを心がける
☆シャンプーのしすぎや合わないものを使用せず、必ずきれいに洗い流す

口の臭い

自分の口臭は自分では気付かないことがほとんどです。また周囲の人が気付いていても
言いづらいことなので、それを指摘してくれる人は滅多にいません。
原因1 歯周病(歯茎のやせ)や虫歯、舌苔などによる臭い
2 口腔内乾燥(唾液の減少)による臭い
3 消化器系の病気(慢性胃炎、逆流性食道炎、慢性便秘などからくる臭い
4 上気道の炎症(蓄膿症、慢性扁桃炎)からくる臭い
5 喫煙、飲酒、食事からの臭い(特にニンニクやネギは臭いの成分が分解されにくい)
6 生理・妊娠時による臭い(ホルモンのバランスの変化で口臭が出ることがある)
対策☆臭いの原因を究明し口腔内環境を良い状態に整える
☆口臭予防に効果のある食べ物を積極的に摂る
  ・メカブやモズク(海藻類)・・・口臭だけでなく体臭にも効果あり
  ・レモンや梅干・・・クエン酸の効果による腐敗防止
  ・緑茶・・・カテキンによる細菌増殖防止やフラボノイドに消臭効果あり
  ・キシリトールガムをかむ・・唾液を出す効果もある

腋の臭い

ワキガは体臭の中でも残り香が強いため、立ち去ったあとでも臭いでその形跡が解ります。
満員電車や混雑したロッカーでの着替えなどでお悩みの女性は沢山いらっしゃるはずです。
原因アポクリン腺からの汗に細菌が繁殖すること

汗腺のうちワキに多いアポクリン汗腺から出る汗は、通常の汗の成分とは違い、
アンモニア・脂肪・蛋白質・鉄分などが含まれているので、ここに細菌が繁殖すると
あの強い刺激臭が発生します。この汗腺の数が多い人ほど臭いが強くなります。
対策☆体は常に清潔にしておく。
☆汗をかいたらすぐにふき取る
  (市販の制汗剤や汗ふきシートも有効)
☆通気性、吸湿性の高いインナーを着る
☆肉類や乳製品などの動物性脂肪を
  含む食品摂取は控えめにする。
☆ワキ毛はこまめに剃る。
☆症状が重い場合は皮膚科で治療する
  (制汗剤、注射、電気凝固、手術)

デリケートゾーンの臭い

*「デリケートゾーンのお悩み」の欄をご参照ください。

足の臭い

日本人は靴を脱いで室内で過ごすことが多いので足の臭いは恥ずかしいものです。
足の裏にはエリクソン腺と言われる汗腺が多く密集しているため、手掌と同じように
高温多湿の密閉状態では発汗しやすい場所です。元々足の裏は新陳代謝が激しく
垢がいっぱい出ますので、それに皮脂が加わって雑菌が繁殖し、臭いを発生させます。
原因エリクソン腺からの汗に細菌が繁殖すること

吸湿性が悪い状態(例えば夏場に裸足で靴を履いた状態)や
通気性の悪い状態(例えば冬場にブーツを長時間履いた状態)が続くことで発生
対策☆足を清潔に保つ
☆きちんと角質ケアする
☆吸水性の高いソックスを履く
☆ムレにくい通気性の良い靴を選ぶ
☆毎日靴を取り替える
☆履いた靴は必ず一度乾燥させる

★ 全身の臭い

体臭

もともと日本人は肉類をあまり好まず風呂好きなこともあって、体臭は少ない民族で、
外国人のように無理やりきつい匂いの香水を体中に振りまく必要はありませんでしたが、
食生活やライフスタイルの欧米化が進むにつれ、体臭もそのまま欧米化してきました。
原因は世代ごとに異なりますが、概ね汗であり、その背景には食事が関わっています。
原因1 わきの下や股間に分布しているアポクリン汗腺から出る汗
  (脂肪や蛋白質を含んでいるので雑菌が繁殖しやすく強い臭いを発生)
2 全身に分布(特に足の裏)していているエリクソン汗腺からでる汗
  (汗は無臭だが体に付着している雑菌が混じると臭いを発生)
3 頭皮に多く分布している皮脂線から出る汗
  (皮脂が付いた状態が続くと菌がこれを分解することで臭いを発生)
4 汗以外の原因として、何らかの内臓疾患がある場合
  (肝臓・腎臓・食道や胃腸の病気、糖尿病、癌などで特有の臭いを発生)
対策☆汗をかいたら早めに拭き取る
☆臭いの主な発信源を突き止め対策を打つ
☆良質な睡眠をとって疲れを残さない
☆便通を整えて良い腸内環境を保つ
☆肉類や乳製品などの摂り過ぎに気をつける
☆体脂肪を減らす(少ないほうが臭わない)
☆抗酸化作用のあるビタミンCを多く摂る
☆クエン酸の消臭作用を利用する(檸檬や梅)

加齢臭

原因活性酸素による皮脂の酸化で発生する「ノネナール」の臭い
酸化した皮脂が臭いの原因ですので、皮脂腺が多いところほど臭いの源になります。
耳の後ろ、首の後ろ、頭皮、デコルテ、背中など主な発生源は上半身に集中しています。

一般に女性の方が加齢臭が弱く感じるものですが、その理由として女性は男性よりも
@肉類の摂食比率が少なめで食物繊維やビタミン類を多くとる傾向にあろこと、
A皮脂の分泌量が少ないこと B女性ホルモンによって酸化しにくい体質であること
C香水などで自身の臭いをマスクしていることが多いこと等が挙げられます。
ところが男性では60歳頃から皮脂が減り始めることで加齢臭が弱まっていくのに対し、逆に
女性では更年期を過ぎる頃から女性ホルモンの恩恵がなくなるため、臭いはきつくなります。
対策☆肉類を控え、抗酸化力の高い食材を多く摂る
☆加齢臭が出やすい部位を清潔に保つ
☆ストレスを減らし規則正しい生活習慣を心がける

更年期の臭い

原因不純物を多く含む汗に細菌が繁殖すること
女性の場合、更年期障害によっても体臭が現れることがあります。更年期の体臭は
臭い始める時期が加齢臭と似通っているので、この2つを明確に区別することは困難です。
ただ加齢臭の原因が酸化した脂肪酸なのに対して、更年期の臭いは「汗」が原因です。

更年期の汗は、運動で出るサラッとした汗と違って、不純物を多く含むベタベタした汗である
ことが特徴です。不純物の量に比例して雑菌も多くなるので不快な体臭と化してしまいます。
対策☆日頃から体温調節をしやすくするため、脱ぎ着のしやすい服装を心がける
☆更年期症状としての異常発汗がある場合は放置せず婦人科で治療を受ける

その他の臭い

@タバコの臭い
喫煙習慣がある人は、体内に取り込まれたニコチンが血流に乗って全身を巡り、
毛穴から排出されますので、タバコを吸ってない時でもタバコの臭いがします。
また副流煙が髪や手や衣服に付いて、それがタバコ臭を周囲に振りまきます。

Aペットの臭い
室内でペットと同居したり、密に接する時間が多い方は、その臭いが体に染み付きます。
対策としては、定期的にシャンプーしてあげる、トイレシートをこまめに交換する、
常にお部屋の換気をする、空気清浄器や脱臭機を使用するなどを心がけましょう。

B飲酒の臭い
アルコールは体内でアセトアルデヒドに分解され、呼吸のたびにこの臭いが放出されます。
アセトアルデヒドは体表からも放出され、その場合は酸化臭も加わるので悪臭になります。
アセトアルデヒドは活性酸素を増加させる物質の一つで、体内で多くの臭い物質を産生します。

Cダイエット臭
断食系のダイエットでは、蛋白質や炭水化物が不足するため、中性脂肪を燃焼させます。
その結果、脂肪酸や乳酸が増え、汗とともに排出されますので、アンモニア臭が発生します。

D排泄物の臭い(オナラ・うんち)
大便の臭いは、腸内の悪玉菌が作った腐敗物質(アンモニア、インドールやスカトール等)が
多く含まれる便ほど臭いがきつくなります。肉類を多く摂る食習慣がある人ほどそれが顕著で、
逆に菜食が中心の人や赤ちゃんの便はあまり臭いません。ただ慢性便秘のため腸内細菌の
バランスが崩れたり、急性腸炎で未消化の蛋白質が混入した下痢では臭いがきつくなります。
腸内の悪玉菌は、脂肪分の多い食事、ストレス、暴飲暴食、便秘、早食いによって増加します。
悪玉菌が増加すると、様々な有害物質が作り出され、メタンガスなどの悪臭ガスを放出します。
便臭も強烈になりますし腸管ガスは吸収されて全身を巡りますので、口臭や体臭にもなります。



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