生理痛 / 月経困難症
OCで健やかな月経ライフを
手に入れる

  生理の時には、多くの女性が痛みなどの不快な症状を感じます。

中でも生理のたびに毎回強い痛み(下腹部痛、腰痛、頭痛)に襲われ、
日常生活に支障をきたすほどのものを月経困難症と呼び、
一般的な生理痛とは区別をしています。例えば「月経痛がひどくて
起き上がれない」「症状のために学校や会社を休まざるを得ない」
の様な状態のことをいいます。痛み以外にも吐き気や食欲不振、
下痢、頭痛などの症状が同時に現れることも多く、
月経困難症の女性にとって生理の期間はとても辛いものとなります。

月経困難症には次の2種類があります。
ひとつは子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症などの原因となる
病気があるために起こる「器質性月経困難症」
もうひとつは背景に特にこれといった病気が存在しないのに起こる
「機能性月経困難症」です。

しかしながら、今までは鎮痛剤に頼るしかなかった生理痛も、ようやく2010年に
月経困難症に保険適用を受けた低用量ピルが登場してからは、その劇的な効果で
生理痛に悩まされる日々から解放される女性が非常に多くなってきました。

生理痛の大部分は機能性月経困難症であり、その原因としては次の3つがあります。


@プロスタグランジンの過剰分泌
妊娠しなかった時は、子宮内膜からプロスタグランジンという
ホルモンが分泌されます。このホルモンは、子宮を収縮させて
不要になった粘膜を血液と共に体外に排出する働きをしますが、
その分泌量が多いと、子宮の収縮が過剰になってしまうため、
強い痛みの原因になります。更にこのホルモンはあちこちの
痛みを強める作用もあるので頭痛や腰痛の原因にもなります。

A子宮の出口が狭い
若い女性や出産経験のない女性に多くみられ、
子宮口が狭くて硬い状態の場合は、子宮外に
血液をスムーズに押し出すことができません。
そのため、より強く子宮を収縮させて、内膜や
血液を押し出そうとするので痛みが起こります。
子宮が成熟するにつれて自然と軽減されます。
B肉体的・精神的ストレス
ストレスが続くとはホルモンや自律神経のバランスが崩れ、血行が悪くなります。
また冷房などで体が冷えて血流が低下すると、プロスタグランジンが骨盤内に滞り
痛みが強まります。精神的なストレスが引き金で痛みを強く感じることもあります。



q&a
Q 私は今30歳で高校生の頃から毎月の重い生理痛で苦しんでいます。
1年前に出産しましたがその後の生理痛の辛さも軽減してません。
友人から月経困難症ではと指摘されました。どうなのでしょうか?

A 生理のたびに日常生活に支障がある重さなら月経困難症と思われます。
月経困難症は若年女性にはかなりの頻度でみられますが、
年齢とともに、また、出産回数とともに減ってくるのが一般的です。
なぜなら出産を経験することにより子宮頚管が少し広がるからです。
にもかかわらず痛みが軽減しない原因としては、子宮の形態(後傾子宮)、
運動不足、そして心理的あるいは社会的ストレスが考えられます。
妊娠から授乳期にかけては生理がないため、もちろん生理痛とも
無縁でいられますが、家事や育児に忙しく、そのうえ仕事も抱えている
ママも少なくない時代なので、より一層のセルフケアが大事になってきます。

Q 私は41歳の主婦です。未だに毎月、生理前の不調や生理痛も重くて
苦しんでいます。もう妊娠予定もなく、この先まだ10年近くも毎月生理と
向き合っていかなければならないと思うと憂鬱になってしまいます。
よい過ごし方があったら教えてください。

A 年に数回程度の生理痛の方は市販の鎮痛剤で経過をみてもよいと
思いますが、毎月の重い生理痛となるとしっかりとしたケアが必要です。
まずは専門医に相談して体質に合った漢方薬の服用をお勧めします。
漢方には生理痛の緩和に有効な生薬がたくさんあり、規則的に服用
することで辛い生理痛を回避できることが期待できます。それでも
充分な効果が得られない方には、 低用量ピル(OC)が最適です。
ピルは低用量化されたもの(OC)が登場してからは、実は今や
月経困難症の治療薬の中心になりつつあります(2010年から治療薬
として保険適用されました)。これは機能性月経困難症だけでなく、
子宮内膜症を代表とする器質性月経困難症の治療としても高い効果が
認められています。ピルと聞くと副作用を心配したり、抵抗感がある方が
未だ多くいらっしゃいますが、OCが登場してからは余計な不安は払拭され、
今や悩める女性の皆様にとっては魔法の薬になりつつあります。

Q 生理痛を軽くするために日常で気をつけることや方法を教えてください。

A まずは体を冷やさないこと。特に下半身の冷えは重い生理痛に
繋がりますので要注意です。特に冷房がきいた部屋にいる時は
ひざ掛けをかけるだけでも、下半身を冷えから守ってくれます。
次に食事の工夫として、生理前や生理中の時期は脂肪分の摂取を控え、
繊維質を多く摂るよう心がけましょう。
この時期は黄体ホルモンの作用で身体に水分や脂肪分が溜まりやすくなり、
便秘が悪化したり吹き出物がたくさん出てしまう人も少なくありません。
それに食欲も増進するため体重が増えがちになります。それらを意識して、
食事量や内容を工夫することで生理痛の軽減が期待できます。
更にお勧めなのは日常にアロマを取り入れてみることです。
アロマセラピーは生理痛の緩和にとても効果的で、自然療法を
好む方にはお勧めです。使用する精油(エッセンシャルオイル)には
女性ホルモンのバランスを整えてくれる働きをもつものや
生理痛を緩和してくれる香りがたくさんあります。
例えばクラリセージはその代表であり、女性の不調緩和に最適です。
そのほかにもゼラニウム、スイートオレンジ、ローズオットー、ラベンダー、
ジュニパー、イランイランなどが効果的で、この中から好きな香りを
選んで使ってみましょう。


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