子宮頸がん
ワクチンでがんを予防
できる時代の幕開け

  毎年1万人以上の女性が発病し、毎年約3千人の命を奪っているこの「子宮頸がん」。
日本における近年の罹患者数は20代後半から30代前半がピークとなってきており、
この年代の女性は、初婚や第一子出産の年齢と重なってくるため、更に問題は深刻です。
たとえ命は救われたとしても、この病気で妊娠力を喪失してしまう女性が後を絶ちません。




子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染が原因で発症します。
HPVの中でも発癌性リスクの高いグループを「ハイリスク型HPV」と呼び、現在までに
15種類が特定されています。とりわけHPV16型18型の2種類によるものだけで
全体の66%を占めており、他のハイリスク型と比べて癌に進展するリスクが高頻度です。

HPVは性行為歴がある女性なら、一生に一度は感染するごくありふれたウイルスであり、
ほとんどの場合が一過性の感染として、いつの間にか自然に排除されます。
また、感染しても免疫が付かないので、何度でも感染してしまうことも知られています。
その中で、約10%の方はHPVを排除できずに感染が持続することがあります。
これがハイリスク型ですと、5〜10年の間に癌への移行リスクが高まります。




21世紀になり、このHPVに対するワクチン開発が急速に進み、世界中で実用化され始めました。
先進国より数年遅れて日本でも2009年から実施できるようになり、子宮頸がん撲滅に向けての
スタートが切られました。2011から公費助成が導入され、ようやく他の先進国に肩を並べる水準に
なりつつありましたが、2013年の定期接種化された矢先に、その副作用の疑念をマスコミが
大々的に報道したことで、国が及び腰になり、それ以来「積極的勧奨の中止」の状態が続いていました。
この結果、この数年間で子宮頸がんの発症率は、積極接種を行っている先進国との格差が拡がり、
今では日本は発展途上国と同程度で、OECD加盟国中ワースト3という悲惨な状態になっています。



その後、新型コロナウイルス感染の猛威が世界中を震撼させたことが契機となり(筆者推定)、
ウイルス感染の脅威が見直されたこともあって、半ば停止状態だった「子宮頸がんワクチン接種」が、
8年半の沈黙を破って2021年12月にようやく「積極的接種勧奨」に復活いたしました。
また、この8年半の間にワクチン接種の機会を逃した世代への救済措置(キャッチアップ接種)も
同時発表され、公費での実施が可能になりました。現在の公費接種対象者(無料)は以下の通りです。

@ キャッチアップ接種
  ★対象者:1997年4月2日生まれ 〜 2006年4月1日生まれの女性

  *公費での実施期間:2022年4月1日〜2025年3月31日までの3年間
            (この期間内に3回目を終了させる必要があります)
A 定期接種
  ★対象者:従来通り、小学6年生〜高校1年生(男子は公費対象外です)
            (この期間内に3回目を終了させる必要があります) 

また、現在は世界の主流である9価ワクチンの使用も、申請から5年越しでようやく認可され、
2021年2月24日から日本でも接種が可能になりました。
当院は他院に先駆けて、上中越地区で唯一、この9価ワクチンを希望者に接種して来ましたが、
遂にこの9価ワクチンも2023年4月1日から公費制度に組み込まれることになりました。

9価ワクチン「シルガード9」は、既に世界中では予防ワクチンの主流になっており、新たに5つの型
(HPV31、33、45、52、58型)への効能が加わりハイリスク型HPV全体の88%に有効になりました。




*予防接種の種類

 当院では「ガーダシル」「シルガード9」のどちらのHPVワクチンでも接種可能です。
   ・ガーダシルは2011年8月に認可された4価ワクチンです(有効率66%)。
   ・シルガード9は2021年2月に認可された9価ワクチンで(有効率88%)、
          アジア人に多いHPV52型、58型に効果を発揮します。

*接種対象者

   ・ガーダシル   → 9歳以上の女性(当院では男性はお受けしておりません)
   ・シルガード9   → 9歳以上の女性
   ・どちらも至適接種年齢は中学生ですが、45歳までの女性は接種可能です。
   ・どちらも妊娠中、授乳中の方には接種できません。

*公費助成制度について

   ・対象者 ➡  小学6年生〜高校1年生の女性(無料で接種できます)
   ・ガーダシルに加えシルガード9も2023/4から公費助成制度で接種できるようになりました。
   ・ガーダシルは9歳以上の男性も接種が認可されましたが公費助成制度の対象外です。

*接種スケジュール

   ・どちらも初回、2か月後、6か月後の計3回接種が必要です。



   ・但しシルガード9に限っては、初回接種が15歳未満では、計2回接種も選択可能です。
    (2023/4〜)



*公費助成制度対象外の場合の自費料金(税込み)


*接種の実際

@お申し込みの手順

どちらの接種であってもまずは当院へのご連絡が必要になります。

電話予約の場合 ➡ 診療時間内にご連絡下さい。 0258−22−7177
         希望接種日時をご相談の上で決定し、予約日時に医院へお越しください。

ネット予約の場合 ➡ 下のオンライン予約のバナーをクリックして
         予約画面に、来院日時を接種希望日とした上で基本情報を入力してください。

子宮頸がんワクチン接種
オンライン予約はこちらをクリック


《事前に準備しておくこと》
 *公費助成制度をご利用する場合は市から送られてきた予診票が必要になります。
  お持ちでない方は長岡市教育委員会子ども未来部子ども子育て課(39-2300)に、
  ご自身でお電話にて予診票を取り寄せ、必要事項を記入したものを当日持参してください。

 *自費の場合は特にありません
 (当初シルガード9は来院日までの事前登録が必要でしたが、現在は廃止されました)


A接種の注意事項

★未成年の方の接種には、当日に保護者の方の同伴が必要になります。
★接種後の様子観察時間の関係で、最終受付は、午前が11:20,午後が17:20です。
★ワクチン確保の関係上、お申し込みは接種希望日の3日前までにお済ませください。
★初回接種を他院でされた方でも、2、3回目の接種を当院で受けることができます。
 この場合は必ずお電話で担当スタッフとご相談ください。
★妊娠の可能性がある方、妊娠中や授乳中の方は接種できません。
★接種当日に発熱など強い急性期症状で体調不良がある場合は接種できません。
★何らかの理由で当日キャンセルされる場合は必ずお電話でご連絡ください
 無断キャンセルされた場合は、再予約をお断りさせて頂きますのでご了承ください。

B接種までの流れ

●公費の場合
 * 《来院前の準備》
   予診票の所持を確認する ➡ 接種希望日の3日前までに当院へ電話かネットで予約
 * 《接種当日》
   必要事項を記入した予診票を持参して予約時間に来院 ➡ 受付 ➡ 医師の診察
   ➡ 接種 ➡ 院内で約30分様子観察 ➡ 次回接種日の予約 ➡ 帰宅

●自費の場合
 * 《来院前の準備》
   事前の準備は不要 ➡ 接種希望日の3日前までに当院へ電話かネットで予約
 * 《接種当日》
   予約時間に来院 ➡ 受付して予診票を記入 ➡ 医師の診察
   ➡ 接種 ➡ 院内で約30分様子観察 ➡ お会計 ➡ 次回接種日の予約 ➡ 帰宅


当院ではこのワクチンが登場して以来、接種の重要性を唱え続け、その啓発に努めてきました。
社会問題となった2013年以降に、その普及が停止状態におかれている状況下であっても、
終始一貫ぶれることなく、安全面にも最大の注意を払いながら積極的に実施しておりました。

待望久しかったシルガード9も2023/4からようやく公費助成制度でも接種可能になりました。
より多くの女性の皆様に、この素晴らしいワクチンを接種していただきたいと切に願っております。



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