OC(低用量ピル)は単なる避妊薬ではなく
快適な月経ライフを過ごすための女性の強い味方
今や月経困難症やPMS(月経前症候群)、子宮内膜症治療の中心的存在
OCの継続服薬にはそれ以外にも女性に嬉しいメリットがたくさんあります。
1.月経痛の軽減
OCを服用していても、見かけ上の月経である消退出血は起きますが、
出血量は少なく子宮収縮が抑えられるので痛みが激減〜消失します。
2.月経不順の改善
月経の周期がきちんとコントロールでき予定が立てやすくなります。
3.月経過多の軽減
子宮内膜の増殖が抑制されるので出血量は減少し、貧血も改善されます。
4.月経前症候群の軽減
月経前のイライラや落ち込み、不安などの心の不調が軽減されます。
5.プレ更年期の改善
35歳から45歳の方にみられる色々なプレ更年期の症状が軽減されます。
6.自律神経失調症の軽減
自律神経のバランスは女性ホルモンの影響を強く受けていますので、
OCによりその働きが安定します。
7.子宮内膜症の進行抑制と症状改善
OCによりホルモンの状態が安定することで子宮内膜の増殖が抑制できるため
生理痛が劇的に改善します。
8.卵巣癌や子宮体癌の予防
OCにより排卵が抑制されるため、
長期間服薬することで卵巣癌や
子宮体癌のリスクが低下します。
9、良性疾患の予防
良性乳房疾患や骨盤内感染症
の発生リスクが減少します。
10 . ニキビや吹き出物の改善
OCに含まれる黄体ホルモンが
ニキビ原因である男性ホルモン
の働きを抑えるため、ニキビや
吹き出物、多毛が改善されます。
11、避妊効果
勿論ですがきちんと服用すれば
99.9%の避妊効果が得られます。
1、 生理がなくなる?
月経は規則的に訪れ、軽くなります。
2、 太るのでは?
今までのピルに比べてホルモン量が少ないので、太りません。
むしろ、むくみは解消されてきます。
3、 副作用が心配?
軽い吐き気、倦怠感、乳房の張り、少量の不正出血などがみられる
ことがありますが、多くは1,2ヶ月以内に治まります。
4、 将来、妊娠できなくなるのでは?
長期間服用しても、服用を止めればいつでも妊娠できる状態にすぐ戻ります。
@ 血栓症(血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞など)の既往がある方
A 乳癌、子宮癌の既往または疑いがある方
B 重度の肝機能障害、高血圧、糖尿病、心疾患がある方
C 35歳以上で1日15本以上の喫煙をする方
D 妊娠中(疑いも含む)、授乳中の方
E 今すぐ妊娠を希望される方
F 4週間以内に何らかの手術を受ける予定の方
月経困難症やPMS、子宮内膜症などの治療薬として保険適用を受けた
低用量ピルを
LEP
と呼び、保険外診療で用いる
OC
と区別することが
ありますが、同一カテゴリーの薬剤でありその特性には違いはありません。
すべてのOC / LEP製剤は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン
(プロゲステロン)の2つの配合剤です。使用される卵胞ホルモンはどれも
エチニルエストラジオールの1種類ですが、黄体ホルモンには第1世代の
ノルエチステロン、第2世代のレボノゲストレル、第3世代のデソゲストレル、
第4世代のドロスピレノンの4種類があります。それぞれのピルに含まれる
黄体ホルモンの違いにより異なった特徴があります。安全性と利便性を
考慮して、当院では第2世代以外の1相性タイプのみを処方しております。
服薬方法は21日間連続服薬し7日間休薬して、これを毎月繰り返します。
OC
◆
マーベロン28
第3世代 1相性タイプの低用量ピルです。このピルは
黄体ホルモンが「デソゲストレル」なので、他剤よりも
男性ホルモンの作用が一番少ないことが特徴です。
ピルは元々大人のニキビ治療に高い効果があり、
通常は服用開始から3ヶ月程度で効果が現れますが、
マーべロンでは1ヶ月目から効果が出ることが多く、
ニキビでお悩みの方には一番おすすめのピルです。
また「デソゲストレル」は 子宮内膜維持作用が強く
服薬中の不正出血が起こりにくいことも特徴です。
当院では1シート1800円でご提供しております。
◆
ファボワール28
2011年に富士製薬から発売されたマーベロンの後発品です。
薬の組成はマーベロンと同一ですのでその特徴も同じです。
後発品ですが女性ホルモンに強いメーカーのお薬ですので
安心です。当院では1シート1600円でご提供しております。
LEP
◆
ルナベルLD
第1世代 1相性タイプの低用量ピルです。2008年に
認可された国内初のLEP製剤(保険適用治療薬)です。
月経時の強い痛みや子宮内膜症の治療薬だけでなく、
月経前の不快な心身の症状を治療する薬ですので、
PMSの治療薬としても効果があります。現在では
月経困難症の中心的治療薬として広く普及しています。
◆
フリウェルLD
2015年に持田製薬から発売されたルナベルLDの後発品です。
成分はルナベルLDと同じで、月経困難症の保険治療薬です。
費用はルナベルLDの約半額に抑えることができます。
後発品ですが、女性ホルモンに強いメーカーのお薬ですので
安心してお勧めできるLEP製剤です。
◆
ヤーズ
2010年11月に月経困難症の保険適用薬として発売された
国内初の「超低用量ピル」です。このピルだけは他と異なり
24日間服薬し4日間休薬するタイプです。服薬日数が少し
長めなのでPMS(月経前症候群)の治療にも適しています。
エストロゲン含有量が極めて少ないため嘔気や頭痛などの
副作用がより少なくなり、ニキビ防止にも効果があります。
その反面、飲み忘れると早い時期に不正出血が起こり易く、
ちゃんと服薬していても時々出血が起きる場合があります。
内服中に出血が頻繁にある場合は他のピルに変更します。
◆
ドロエチ
2022年6月に発売された、ヤーズのジェネリック品です。
ヤーズと同成分のドロスピレノンとエチニルエストラジオール
配合錠で、異様なネーミングは成分の頭文字からの様です。
ヤーズと同じく月経困難症の超低用量ピル(保険適用薬)で
24日間服薬し4日間休薬するタイプです。副作用も少なく、
男性ホルモンがないのでPMSやニキビ防止にも有効です。
◆
ルナベルULD
2013年に発売された超低用量ピルです。ルナベルLDよりも
エストロゲン含有量が更に少なくなりました(ヤーズと同量)。
そのため嘔気や頭痛などの副作用がより出にくくなりました。
ヤーズとの違いは黄体ホルモンがノルエチステロンなので
血栓症リスクはヤーズよりも更に低下したと言われています。
但しヤーズ同様エストロゲン含有量が少ないがために
不正出血が起きやすいというデメリットがあります。
飲み忘れがなくても不正出血が起きることもあり、出血が
頻繁であればルナベルLDに切り替えるのが一般的です。
◆
フリウェルULD「あすか」
ルナベルULDの後発品としてで2018/12に発売されました。
あすか製薬の薬剤だけがAG(原薬、添加物、製造方法が
先発品のルナベルULDと同等)なのでこれを採用してます。
先発品と同一なので、その特徴も全く同じです。とりわけ
費用が先発品の約半額になりましたので嬉しいかぎりです。
◆
ヤーズフレックス
2017年発売された超低用量ピルで、月経困難症に対し
国内で初めて連続服用が可能となったLEP製剤です。
定期的な休薬期間(月経のような出血)がないため、
うまく軌道に乗れば生理は年間3,4回で過ごせます。
生理自体の回数が少なくなりますので、PMS症状、
生理痛、骨盤痛、乳房痛など出現機会が減少します。
また過多月経や子宮内膜症に強い抑制効果があります。
◆
ジェミーナ
2018/10に発売された、国内初の第2世代黄体Hを有する
月経困難症治療薬です。ライフスタイルにより月経周期を
選べることが特徴です(28日か84日か)。血栓症リスクが
低いという利点がある反面、アンドロゲン作用(ニキビ発生、
脂質上昇、性欲増強など)がやや強く現れることがあります。
避妊や治療目的でOC処方をご希望されて来院される方は、ご自宅で当院のチェックシートを
印刷していただき、予めチェックを済ませた上で来院時にご持参されますことをお勧めします。
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