月経以外の性器からのすべての出血を不正出血と呼びます。 正常な生理は子宮内膜がはがれることで出血しますが、 不正出血ではいろいろな場所から出血します。 量だけでなく、色も鮮血や茶色など様々ですが、 とにかく月経期以外に出血があったら要注意です。 出血部位を特定することは自己判断では困難ですし、 最も注意が必要なのは子宮癌の存在ですので 気がついた時には早めに婦人科を受診しましょう。 不正性器出血の原因 ■排卵期出血(中間期出血) 排卵期に起きる少量の出血で、異常ではありません。(治療)毎月出血する場合はピル。 ■機能性出血(月経不順・ホルモンバランスの乱れ・無排卵月経) 排卵周期が不安定だと、生理前に先行出血したり、生理の出血がダラダラと続いたりします。 ■タンポンの取り忘れ 不正出血の原因として意外と多いのがこれです。性器周辺に異臭も発生してきます。 ■子宮腟部ビラン 頚管粘膜の一部が膣側に露出し、物理的な刺激で出血しやすい状態ですが治療は不要です。 ■クラミジア頚管炎 クラミジアの感染によって子宮の出口に炎症がおきた状態。抗生剤の内服で治療します。 妊娠中にクラミジア頚管炎になると、流産や早産や破水の原因になるので注意が必要です。 ■萎縮性腟炎 閉経後に女性ホルモンの低下による膣粘膜の乾燥から生じた炎症。(治療)腟錠の挿入。 ■子宮頚管ポリープ 子宮の出口にできるポリープ。良性なので放置しても大きな問題にはなりませんが、 たびたび出血する場合は切除する場合もあります。ポリープは、外来で簡単に取れます。 ■子宮内膜ポリープ 子宮の奥にできるポリープ。ほとんどが良性ですが、子宮体癌との区別が必要となります。 ■粘膜下子宮筋腫 子宮内腔に飛び出してくる子宮筋腫。過多月経や月経期以外に出血する原因となります。 ■子宮内膜増殖症 子宮内膜が厚くなりすぎて生理前に先行出血してしまう状態。体癌の前癌病変のこともあります。 ■子宮頸癌、子宮体癌 どちらも不正出血で発見されることがあります。手術や化学療法、放射線治療が必要になります。 ■妊娠(切迫流産) 妊娠初期は少量の出血が割とよく見られます。また出血を契機に妊娠に気づくこともあります。 ■子宮外妊娠 受精卵が卵管などの子宮以外の場所で着床すると、卵管が破裂して大量出血を起こします。 |