貧血
貧血=酸欠状態

  女性の多くに見られる貧血のほとんどは鉄不足が原因

鉄不足で酸素の運搬役であるヘモグロビンが少なくなると
臓器が酸欠状態になりそれぞれの機能が低下してきます。

その結果・・・軽い運動でも動悸や息切れがする
         疲労感が抜けない
         根気が続かない
         冷えを感じやすい  
その原因・・・過多月経、子宮筋腫、偏食、過度のダイエット
         胃腸の病気(癌やポリープ、ピロリ菌感染など)

症状がなくてもヘモグロビンが11.0を下回ったら一度必ず受診しましょう。  


q&a
Q 以前から時々めまいや立ちくらみがありましたが最近頻繁に出現します。
貧血の悪化が原因でしょうか?
A 貧血も重症になると眩暈や立ちくらみを伴いますが、これらの症状は
俗に言う「脳貧血」と呼ばれるもので、一般的には 自律神経障害に
基づくものがほとんどです。朝礼の時に倒れたり、起床時や急に
立ち上がった時に起こる起立性低血圧などはその典型例であり、
ストレスや疲労の蓄積、睡眠不足、生理前でもよくみられます。
「脳貧血」は一時的な血圧低下で脳を巡る血液量が不足する現象であり、
これに対して医学的な「貧血」は絶対量が不足していることを指します。
特に赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)量が重要で、これは
酸素を体の隅々まで運ぶ役目を担っています。従ってこの運び屋が
減るとすぐ酸欠状態に陥るため、息切れ、動機、疲れが取れない、
全身がだるい、体が冷える、頭痛、顔色が悪いなどの症状が出てきます。
これが「貧血」の症状です。またこれらは「冷え症」の症状でもあり、
多くの共通点があります。 いずれにしてもこの様な貧血っぽい症状は
貧血以外の病気でもよくみられるので自己判断せず専門の医療機関を
受診してみてください。

Q 33歳の女性です。自覚症状はあまりないのですが健康診断を受けるたびに
貧血を指摘されます。病院で鉄剤が処方され、服薬すると正常になるのですが
次の健診ではまた貧血と言われます。どこか悪いのでしょうか?

A 貧血の大部分は鉄不足が原因です。赤血球の寿命は約120日ですので、
毎日安定した鉄分の摂取が必要となります。お尋ねの内容では
材料(鉄剤)を過剰供給すると商品(ヘモグロビン)は生産される訳ですから
工場(骨髄)はきちんと機能しているはずです。なのにすぐ足りなくなるのは
@消費のスピードが速すぎる(出血)かA慢性的な材料不足が主な原因です。
@の原因は胃腸から出血するもの(胃十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、胃癌、
大腸癌、痔など)と子宮から出血するもの(過多月経、子宮筋腫など)が
その代表です。また女性では妊娠、出産、授乳期にも鉄分を失います。
Aの原因は慢性的な鉄分の摂取不足や吸収障害です。つまり過激な
ダイエットや偏った食生活、睡眠不足が鉄不足を招いていると思われ、
最近、若い女性の方を中心に急増しています。
意識して鉄分を摂取しているのに貧血を繰り返す場合は、婦人科検診や
胃腸の内視鏡検査を受けていただく必要がある場合もあり、肝臓や腎臓が
悪くても貧血が進行することもあるので、専門医療機関を受診してください。
当院では貧血のトータルサポートに情熱を注いでおりますのでご相談ください。

Q 貧血の治療で鉄剤をお茶で服用してはいけないと聞きました。
本当でしょうか?

A 以前はお茶やコーヒーに含まれるタンニンが鉄と結合して
吸収を阻害するのでよくないと言われていましたが、最近では
同時に摂取しても効果に違いはないことが分かってきました。
その理由として、最近の鉄剤は徐放剤(少しずつ溶け出す薬)が主流で、
鉄の含有量も多いためタンニンの影響を殆ど受けなくなりました。
何より鉄欠乏性貧血の方は、鉄分の吸収能が高まっているため、
お茶やコーヒーと合わせても、その効果は変わりません。
また服薬の時間帯も1日1回であれば朝でも夜でも食前でも食後でも
大差はありません。時折、胃に合わない方がいらっしゃいますが、
その場合は就寝前に服薬したり、胃薬を併用してもかまいません。

Q 貧血を食品で改善したいのですが私はレバーが気持ち悪くて食べれません。
他の方法で何かいいアドバイスをお願いします。

A 貧血を改善するには鉄さえしっかり摂ればいいというわけではありません。
まず、私たちが1日に必要な鉄分は、月経のある成人女性で12mg、
妊娠授乳期で20mg、閉経後で10mg、男性で10mgとされています。
何故なら鉄は比較的吸収されにくい栄養素であり、体内に利用されるのは
摂取量の約10%に過ぎないからです。鉄分にはヘム鉄(肉類、魚類)と
非ヘム鉄(野菜類、豆類、穀類、海藻類、貝類、卵)があり、前者の方が
吸収率は優れています。しかし後者でも良質のタンパク質、カルシウム
ビタミンCやBなどを一緒に摂取することで吸収率がアップします。
従って食事の基本はあくまでも必要な栄養素をバランスよく摂ることなのです。
因みに鉄を多く含む食品を下にお示ししましたのでご参考にしてみてください。

食品 100g中 食品 100g中 食品 100g中
豚レバー
鶏レバー
牛レバー
牛ヒレ肉
コンビーフ缶詰
鶏卵(卵黄)
13.0mg
8.0
4.0
2.8
3.5
6.0
大豆(乾燥)
きな粉
高野どうふ
小豆(乾燥)
湯葉(生)
糸引納豆
9.4mg
9.2
6.8
5.4
3.6
3.3
青のり(素干し)
干しひじき
刻み昆布
カットわかめ
74.8mg
55.0
8.6
6.1
煮干し
干しえび
あさり(つくだ煮)
あみ(つくだ煮)
かつお(削り節)
かつお(角煮)
しじみ(生)
赤貝(生)
あさり(生)
まいわし(丸干し)
18.0mg
15.1
18.8
7.1
9.0
6.0
5.3
5.0
3.8
4.4
わらび(干し)
切干大根
パセリ
とうがらし(乾燥)
大根(葉)
小松菜
11.0mg
9.7
7.5
6.8
3.1
2.8
ごま(いり)
アーモンド
9.9
4.7

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